乳幼児のスキンケア

乳幼児のイメージイラスト

乳幼児の肌は、一見するとみずみずしくて、弾力感がありますが、成人と比べると皮膚の厚さが半分程度しかなく、皮脂も少ないので乾燥肌になりやすいのが特徴です。そのためお子さんのスキンケアはとても大切で、皮膚を清潔に保つためには適度に入浴し、こまめな保湿ケアを行ってください。なお当院では、お子さんのスキンケアの方法(体の洗い方や保湿塗り方 など)もアドバイスいたしますのでお気軽にお問い合わせください。

乳児湿疹

生後2、3週間~数ヵ月の期間は、湿疹が起きやすい期間です。乳児湿疹の中にはアトピー性皮膚炎も含まれ、他には脂漏性皮膚炎(乳児脂漏性湿疹)もあります。乳児期は皮脂の分泌が活発になるので、とくに頭や顔面、腋窩といった皮脂が脂漏しやすい部位で、黄色っぽいかさぶたや紅斑などの症状が生後2~4週間からみられるようになりますが、生後8~12ヵ月の間に症状は自然と軽度になっていきます。また、よだれや食物による刺激によって、触れた部位がかぶれる接触皮膚炎(よだれかぶれ)、食物アレルギーによる一症状(皮疹)が出たという場合なども乳児湿疹に含まれます。治療は基本的には清潔にして保湿を行い、医師が必要と判断すればステロイド剤や、抗菌薬入りの塗り薬を使います。

あせも

汗がでる汗管が汗やよごれで閉塞して起こります。かゆみを伴うようになると我慢ができずに爪を立てて掻き壊し、とびひを起こすこともありますので早めの受診をおすすめします。
汗をかいたらシャワーで汗を流すなど皮膚を清潔に保って予防してください。軽度な場合は非ステロイド系の外用薬を、強い症状があればステロイド系の軟膏を使用していきます。

とびひ

アトピー性皮膚炎、あせも、虫刺されなどの皮膚疾患のかゆみ症状による掻き壊し、外傷(すり傷、切り傷)の傷口などから菌が侵入し、その後顔面や手足といった部位に瞬く間に強いかゆみのある水疱やかさぶたが発生するようになることをとびひと言います。水疱が破れると露出した皮膚は赤くただれた後、かさぶたとなります。これが剥がれると治癒となります。治癒までの期間は大体1週間程度ですが、とびひをこじらせると発熱や、水疱や皮膚のただれが3、4日続いたり、顔や体が赤くなるなどの症状がみられることがあります。乳幼児に起きやすく、夏の季節によくみられます。治療は、抗菌薬の内服もしくは軟膏を使用していきます。

水いぼ

幼児期に多くのお子様は水疱を搔き潰してしまい、ウィルスが指先につき、様々な箇所を触ることで他の部位や別の子どもに次々と水疱が発生することがあります。治療は、漢方薬の内服もしくは塗り薬を使用していきます。

ニキビ

ニキビは思春期から青年期にかけて発症しやすいのが特徴で、思春期になると皮脂の分泌が亢進し毛穴がつまってしまうことで起こる毛穴の炎症です。
治療は殺菌作用やお肌のピーリング作用を期待して外用薬を使用します。重症度が高い場合には内服抗生剤や漢方薬も使用します。また洗顔方法や食事・栄養指導等を行うことがあります。

虫刺され

虫(蚊、ダニ、ノミ、アブ、ハチ、毛虫 等)に刺される、あるいは触れるなどして、その部分の肌がかゆい、痛い、赤い発疹や腫れるなど、皮膚症状が現れることがあります。乳幼児期はかなり腫れることが多いため注意が必要です。治療は、かゆみや腫れを抑えるためステロイド軟膏を数日ほど使用します。症状が改善しない場合は、抗アレルギー薬を用います。このほか医師が必要と判断した場合は、ステロイド系の内服薬が処方されることがあります。